脳みそがないブログ

基本百合漫画レビューとコラムの予定。

【感想】ななしのアステリズム2「一気に面白くなってきたなァ!」

ななしのアステリズム(2) (ガンガンコミックスONLINE)

 

知ってしまえば恐ろしくすらある。

大切なものだけど、失くしてしまいたいもの。

朝倉からの告白に、どう答えるか悩む司。考え抜いた末に、彼女が出した結論は果たして──…!? そして、それぞれが抱える新たな秘密、拗らせた心の内面が明らかになって、三人と二人の関係はより複雑に…。秘密を抱えた主人公達による拗らせ系青春物語、衝撃の第2巻!!

 

*ネタバレ注意

 

 

特別恋愛ものに詳しいわけではないが、おおよそ三角関係というのは片思いの循環を指しているように思う。もちろんそこに友情や敵対などの矢印を加えることもできるが、恋愛面においては両矢印で合ってはならない。三角関係とは、少なくとも客観的には、ニュートラルな立場を意味するのだから。

 

天秤の針は保たれなければならないのだ。

 

一巻ではガールズラブという特異性に男子のキャラクターを加えることで関係を搔き乱した。司さん大忙しである。前回にも述べた通り、これは司の物語だ。

 

nonasi.hatenadiary.jp

 

そして今回。

 

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琴岡さん怖い。

 

本気で思ったね。琴岡のヒミツ。彼女は三角関係を知っている。彼女こそ三角関係を保つための天秤だったのだ。いっそ知らなければ……いや知らないものだと信じていた。だってそれが普通だろう?

 

三角関係という固定概念があってこそのトリック。それともガールズラブ=温いラブコメだと思っていたせいか。見事に裏切られた。描写を紐解けばそれは鮮やかに可視化されていく。琴岡さん怖いです……。

 

読めば読むほどひとつひとつの言動が丁寧。前回は中学生ゆえの言動の拙さと述べたけれど、そのロジックはしっかりと描かれていたわけだ。

 

 それにしても、ほんと琴岡は魅力的なキャラになったな!

トーリーもそうだが漫画としてクオリティが高い。一見ステレオタイプなキャラクターは蓋を開けてみればとてもユニークで、それに伴ってひとつひとつの描写は確かな意味を持ってくる。琴岡はイメージとのギャップが特に顕著なキャラクターだろう。

 

 大絶賛の二巻でした。待て三巻。

 

ななしのアステリズム(2) (ガンガンコミックスONLINE)