【感想】ななしのアステリズム1「この作品はガールミーツガールである」
ガールミーツガールって文字列だけで癒される。
中学生活の初日、好きな人が出来ました。それからずっと伝えられなかったその気持ちをこの先も隠し続けると誓った矢先に、知ってしまった好きな人の秘密は──…。フレッシュガンガンで読者投票第1位となった友情と恋心の間で揺れ動く少し切なくてピュアな青春ハートフル・ラブストーリー!!
*ネタバレ含みます
女の子がかわいい話。
120点だと思いました。
ピュアな青春ハートフル・ラブストーリーとか絶対嘘だと思うんですけど……。ジャンルとしては冒頭で述べたガールミーツガールが正しいような気がします。
「白鳥司」が主人公ってわけじゃないんでしょうが、中心に位置していますね。で、「琴岡みかげ」「鷲尾撫子」の二人をメインにした女子中学生の恋愛劇。
ガンガンonlineで二話まで読めます。最近の漫画はちょっとググれば割としっかり立ち読みさせてくれるので嬉しいですね。
百合×ラブストーリーの中でも青春ストーリーに寄った本作。主要キャラが中学生という設定がなんとも絶妙で、ロジックはうんと頷けるが言葉や行動に幼さや青臭さがにじみ出ていて思わず笑いを誘う。
中でも琴岡は実に女子中学生らしい、幼くはないが大人とも言い切れず、どこか背伸びした女子という印象なのだが、時折見せる視線や言動に確信を突くような鋭さが混じる。彼女をどこかミステリアスなキャラに仕上げながら、しかし緊張感を感じさせないゆるりとしたストーリーは本作の魅力だろう。
さて、あらすじのハートフル・ラブストーリーというのは実は正しい。なぜなら本作には男子キャラが出てくるからだ。
百合漫画に男子とか芳文社じゃ許されないですよ。というか許されなくない? 常識的に考えて。(倒置法)
と構えてしまうのも無理はないのですが、ちょっと待ってくださいよ奥さん。
司は男子と付き合うことで鷲尾への気持ちを再認識する。これで鷲尾が男子だったらよくある少女漫画なんでしょうが、性別を変えるだけでガラリと新鮮味を帯びる。
司がこれまた真っすぐな子だから、朝倉の告白や鷲尾が近くにいることに翻弄されていく様は、読んでてにニヤリとしてしまいますね。
ただ、作品の根底に三人があるので、周りにどんなキャラが出ても安心して読めるわけだ。テーマと言い換えてもいい。
この作品はガールミーツガールである。
振り返ってみると鷲尾や男子二人組がまだまだ記号的な位置にいますね。実は既に全巻読み終えているのですが、なかなかに可愛い奴等です()
彼彼女等についてもいづれ熱く語りますので、待て二巻。
ななしのアステリズム(1) (ガンガンコミックスONLINE)
- 作者: 小林キナ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: コミック
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