【感想】ななしのアステリズム4「なにこれ急にH×Hみたいな心理戦」
私を嫌いなアナタを、私は知らないフリをする
「好き」という想いは、心の宇宙で北極星の様に中心で輝いて…。これまで描かれなかった鷲尾視点で、琴岡との出会い、そして秘めた想いが明かされる待望の鷲尾編、開幕!! 一方で、司に成りすまして朝倉と会っていた昴は、司に好きな人がいる事を知ってしまい…。切ない二つのトライアングルで紡がれる、拗らせ系青春物語、新たな秘密が加わる第4巻!!
*以下ななしのアステリズム4巻の内容に基づきネタバレ注意
さて4巻。なんとなんと待望の鷲尾視点から物語が始まる。第一話の前、鷲尾が琴岡に惚れるところから、司に知られてしまうシーンを経て、現在。
ふぁ!?!?
変な声でた。いや琴岡のときも結構すごかったけどこいつは想像以上のパンチだな……。
「琴岡が鷲尾を拒否しているのを鷲尾は知っている」というのはもはや三角関係ですらなくて、それでも琴岡を気にし続ける鷲尾のしぶとさよ。琴岡の「三人でい続けるための努力」を思うなら戦犯は鷲尾だよなぁ……。でも鷲尾もなかなかどうして憎めないやつで、読んでて辛い。
琴岡さんマジダークネス。琴岡視点でも結構キツイこと言っているとは思ったけど鷲尾視点だとなおエグイ。ちょいちょいと他の感想ブログを覗くとやっぱ琴岡isクズみたいな意見もありますよね。私はこういうキャラ結構好きなんですけど。
ヒロイン力ぅ……ですかねぇ……。
鷲尾いいっ! 今まで掴みどころないとか読めない謎キャラみたいな風に思ってたけどおまえがヒロインだったのか! ブログ記事書くために改めて読み直してますが、琴岡にかなりボロクソ言われててほんとカワイソス……。そうだよなぁ中学生女子だもんなぁ。ここまで書ける著者がなんとなくなキャラをメインにするわけなかった。鷲尾最高だよ……。
あるいは、それは呪いでもある。
鷲尾が琴岡を諦めない、その根底にあるのはこの主人公顔・白鳥司。けれどそれは鷲尾が琴岡を「諦めない理由」ではなく「諦められない理由」のようにも見える。司を思う琴岡のことを考えれば、皮肉でしかないのに。この三人はほんと歪な繋がりだな。
ということで鷲尾編終了。
「私の秘密は『私の気持ちを琴岡が気づいてる事を知ってる事』」
なんだこのH×Hみたいな心理戦、くっそ面白い。でもなんやかんやで仲良く見えるのが微笑ましい。まあ個人的一番はどちらかが司とくっついてくれることなんですけどねー。それはそれで角が立ちそう(主に琴岡のせい)
一方男子組。唐突に昴のショタ化が始まる。あれ、この作品こんなんだっけ?
振り返ってみると、当初男子組は女子組の三角関係を乱す存在として出てきたと思ったんですよね。で、昴が朝倉と付き合うことで司との関係をややこしくするというのも、まあその延長線だ。
この違和感は今回で男子組が初めて女子組と離れたところで物語を進行させたことだろう。あ、男子メインでも描くのねふーん? という印象。こちらはあまり盛り上がれなかったな。強いて言えば最強イケメン朝倉がイラっとするシーンが新鮮だった。
歪な三角形はこれからどうなるのだろうか。今の関係が思い描く形とは違うけれど、今が最高であることに間違いはなかった。それは、これからも、
4巻読了。ついに明かされた三人の秘密。最高な今と変わりゆく未来。楽しみしかない。待て5巻。
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